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アイテックのエンジニアによるコラム

2011/09/15

NFの話

 受信機は特定小電力のものも含めてみなそうですが、ゴミ拾いのようなものです。
 送信出力が1mW (0dBm)として、受信感度が 1uVemf(-113dBm)とすると受信機は 送信出力の1000億分の1以下の入力信号を受信できなければなりません。

 受信機の中では、その様な微小な信号レベルを検波器(復調器)の機能できるレベル(約-20dBm)まで増幅するAMPが必要になります。
 この増幅AMPが問題なのですが、ただただ増幅しさえすれば良いというものではありません。ここで一例を挙げて考えてみましょう。

 受信感度信号である-113dBmの入力信号を考えます。受信環境では当然 周囲の熱がありますのでその熱雑音が存在します。今これを仮に -140dBmとします。そうしますと、入力信号のC/N比(音響などではS/N比を使います)は -113-(-140)=27dB となります。
 この信号を検波器が使える-20dBmまで93dBの増幅をしなければなりません。
 ところが一般的に出力信号の大きなAMPになるほどその出力でそれ自身の出すノイズが大きくなってしまいます。この出力ノイズを入力に換算して 入力換算ノイズと呼びます。
 原信号のC/N比が27dBですので、理想的なAMPでは出力信号も27 dBのC/Nであれば最高ですが、そうは行きません。実際には C/N比は劣化して たとえば20dBとなったりします。この時の劣化分は7dBなのでその度合い意を示してNF=7dB(NF: Noise Figure(雑音指数))といいます。

 受信機の設計者は、このNFの良い(値の低い)回路設計に注力しています。
 また、単純に増幅度を上げると出力信号が入力に回り込んで発振現象を起こし、不安定要因を持ってしまいますので、20dB、30dBと増幅度を分担し、更に周波数を変換しながら増幅して行きます。その時のトータルのNFと言うのは、殆ど初段のAMPで決まってしまいます。(図参照)
 そのため、設計者は初段のAMPのNF確保にまずは精力を費やします。NFの良いAMPを特にLNA(Low Noise AMP)と呼んでいます。例として衛星放送受信用のパラボラアンテナの中に組み込み、ケーブルによる信号ロスの前にある程度の増幅を稼ごうとする用途等に使われています。

執筆担当 : 野々山勤


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