![LIBRARY [ライブラリー]](/library/image/mainimg.jpg)

2009/07/17
こんにちは、今回担当の山田です。
今回は熱処理(主に鋼)についてお話します。
熱処理とは、固体の金属あるいは合金に、所要の性質を付加する目的で行い、加熱と冷却をして硬度や性質を変化させることです。
熱処理には、加熱、加熱時間、冷却および炉内雰囲気の基本操作があり、鋼材の種類、温度、時間、冷却方法により、鋼(鉄を主成分にする合金)の性質が変化します。
体質改善を目的(強さ硬さを増す、耐摩耗性の向上、疲れ強さを高める、残留応力の除去、耐食性を増す、切削性をよくする、組織の均一化、弾性をよくするなど)とする熱処理について簡単に説明します。
①焼き入れ
鋼の硬さを増大させる目的で行われる処理。温度730℃以上で、急冷することで硬くなりますが、靭性(粘さ)が低下しもろいので、焼き入れ後には焼き戻しを行うのが一般的です。炭素量が0.3%以上でないと、焼入れ効果は期待できません。
②焼き戻し
焼き入れしたままではもろくて摩耗に弱いので、靭性(粘さ)をあたえる目的で焼き戻しを行います。焼き戻しの温度はA1変態点(730℃)以下で加熱し、急冷します。
再加熱後、保持する温度により組織の変化がことなり、摂氏600度程度で焼き戻すとソルバイト組織が、摂氏400℃程度で焼き戻すとトルースタイト組織が得られます。
焼き入れ後、ソルバイト組織が出る温度で焼き戻す一連の工程を調質と言います。調質とは鋼の結晶粒子を微細にして鋼質を調整し、強靭性を実質的に向上させる操作を言います。
③焼きなまし
焼きなましは、焼鈍ともいい、鋼を軟らかくするための熱処理です。完全焼きなましと応力焼きなましの2種類があります。完全焼きなましは730℃以上に加熱した後、除冷する焼きなましで、応力除去焼きなましは、450℃~730℃の焼きなましになります。
④焼きならし
焼きならしは、鍛造品の組織の均一化・改善と残留応力の除去、機械的特性の改善などを目的とし、鋼を標準状態にするための処理です。硬くも軟らかくもなく鋼を本来の状態にすることであり、焼き入れと同じ温度に加熱し空中放冷します。
各種材料(S-C材:構造用低中炭素鋼、SK材:炭素工具鋼、SKD材:合金工具鋼など)に適した熱処理を選定することも重要になりますので注意が必要になります。SS材はリムド鋼といって脱酸不十分な鋼であり、炭素量%の規定がないので熱処理しないことになっています。
今回は、この辺で失礼します。
次回の更新日は2009/07/29です。